shop_id: 127 | 客単価・アップセルを中心とした売上構造分析
左: 1注文あたりの支払額(500円刻み)。右: 一人当たり単価(注文金額 ÷ かき氷杯数、100円刻み)。かき氷は1人1杯が基本のため、注文内のmainカテゴリ商品数を人数の推定値としています。
注文単価は「1,500〜1,999円(1人客)」と「3,500〜3,999円(2人客)」の2つの山にきれいに分かれる二峰性の分布です。一方、一人当たり単価は1,700〜1,999円にちょうど95.9%が集中し(最頻帯は1,800円台)、グループの人数に関わらず「1人=かき氷1杯≒1,800円」でほぼ固定されています。単価の分散が極めて小さい=1人からもう100円・200円を積み増すクロスセル余地がまるごと残っている状態です。
1注文に含まれるかき氷(mainカテゴリ)の杯数をグループ人数の推定値として分類。杯数別の注文数・平均注文金額・一人当たり単価・売上シェアを比較します。
| かき氷杯数 (推定人数) |
注文数 | 注文構成比 | 平均注文金額 | 一人当たり単価 | 売上 | 売上シェア |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1杯(1人) | 968 | 61.81% | 1,826円 | 1,826円 | 1,767,300円 | 43.45% |
| 2杯(2人) | 545 | 34.80% | 3,641円 | 1,820円 | 1,984,200円 | 48.79% |
| 3杯(3人) | 41 | 2.62% | 5,481円 | 1,827円 | 224,700円 | 5.52% |
| 4杯以上 | 12 | 0.77% | 7,583円 | 1,820円 | 91,000円 | 2.24% |
2人以上のグループ来店は注文数の38.19%ですが、売上では56.55%と過半を占めます。注目すべきは一人当たり単価が1人客1,826円・2人客1,820円・3人客1,827円とほぼ完全に横一線であること。つまりグループになっても「シェア用にもう1品」「みんなでドリンク」といった追加消費が一切発生していません。人数が増えるほどオプション添付率は上がる(1人21.5%→3人以上32.1%)ため、グループ向けの「シェアセット」「2杯目以降トッピング無料」など人数を単価に変換する仕掛けの効果が見込めます。
オプション(ホイップクリーム等の追加トッピング)の有無で注文を分け、単価差を比較します。※本店舗はメニューがほぼ全てmainカテゴリ(かき氷)で構成され、side/drinkカテゴリの商品は存在しません。
| 注文タイプ | 注文数 | 構成比 | 平均注文金額 | 一人当たり単価 |
|---|---|---|---|---|
| かき氷のみ(オプションなし) | 1,195 | 76.31% | 2,527円 | 1,803円 |
| オプション添付あり | 371 | 23.69% | 2,822円 | 1,892円 |
| オプション名 | 価格 | 添付回数 | 売上 | 添付シェア |
|---|---|---|---|---|
| ホイップクリーム | +100円 | 274 | 27,400円 | |
| チーズホイップクリーム | +200円 | 89 | 17,800円 | |
| あずき | +100円 | 61 | 6,100円 | |
| 黒蜜 | +100円 | 26 | 2,600円 |
注文の76.31%は「かき氷のみ・追加なし」の素の注文です。オプションを付けた注文は平均+294円/注文(一人当たり+89円)高くなりますが、オプション売上は総売上の1.33%にとどまります。単価200円のチーズホイップは添付シェア19.8%で健闘しており、「+100円より+200円が選ばれている」=価格抵抗は小さいことを示唆します。杯ベースの添付率18.9%を仮に40%まで引き上げると(平均添付単価は現状実績の128円で計算)、月間で約+6万円(売上+1.5%)の上積みが計算できます。さらにドリンク・焼き菓子などside/drinkカテゴリが未導入のため、クロスセルの土俵自体がまだ存在しません。ここが最大の伸びしろです。
商品別の注文数(明細行数)・売上・平均価格。「トッピングホイップ」以外はすべてmainカテゴリ(かき氷本体)です。※「トッピングホイップ」(100円)は単品トッピング商品ですが、データ上はmainカテゴリに登録されています(2件のみ)。
| # | メニュー名 | 注文数 | 売上 | 平均価格 | 売上シェア |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 濃厚ピスタチオ×木苺 | 446 | 819,200円 | 1,837円 | 20.14% |
| 2 | いちごクリーム | 277 | 501,400円 | 1,810円 | 12.33% |
| 3 | 知覧ほうじ茶あずき | 273 | 475,300円 | 1,741円 | 11.69% |
| 4 | 青肉メロン | 239 | 435,100円 | 1,821円 | 10.70% |
| 5 | 蜂蜜レモンクリーム | 211 | 403,200円 | 1,911円 | 9.91% |
| 6 | 生いちご | 158 | 287,600円 | 1,820円 | 7.07% |
| 7 | 黒蜜きな粉もち | 159 | 274,300円 | 1,725円 | 6.74% |
| 8 | ブルーベリーホイップ | 131 | 251,200円 | 1,918円 | 6.18% |
| 9 | マンゴークリーム | 110 | 210,400円 | 1,913円 | 5.17% |
| 10 | ずんだ塩クリーム | 84 | 153,600円 | 1,829円 | 3.78% |
| 11 | 晩柑(ばんかん) | 50 | 90,700円 | 1,814円 | 2.23% |
| 12 | 完熟梅クリーム | 29 | 52,700円 | 1,817円 | 1.30% |
| 13 | 赤肉メロン | 25 | 45,700円 | 1,828円 | 1.12% |
| 14 | 台湾パイナップル | 23 | 41,700円 | 1,813円 | 1.03% |
| 15 | 極上知覧抹茶あずき | 14 | 24,900円 | 1,779円 | 0.61% |
| 16 | トッピングホイップ(単品) | 2 | 200円 | 100円 | 0.00% |
看板の「濃厚ピスタチオ×木苺」が売上の2割を占めるエースです。全メニューの平均価格は1,725〜1,918円のわずか193円幅に収まっており、価格面での松竹梅構造(アンカー価格)がありません。最高価格帯(蜂蜜レモンクリーム1,911円・ブルーベリーホイップ1,918円・マンゴークリーム1,913円)もしっかり売れていることから、2,200〜2,500円の「プレミアム・スペシャリテ」を投入しても受容される可能性が高く、投入すれば既存価格帯が「お手頃」に見える心理効果も期待できます。
棒グラフ=注文数(左軸)、折れ線=平均注文単価(右軸)。時間帯は日本時間。曜日の「月」には祝日(7/20 海の日)が含まれます。
| 曜日 | 注文数 | 売上 | 平均注文単価 | グループ来店率 | オプション添付率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 日 | 403 | 1,119,800円 | 2,779円 | 48.39% | 25.31% |
| 月 ※祝日含む | 186 | 525,900円 | 2,827円 | 48.39% | 26.88% |
| 火 | 109 | 280,300円 | 2,572円 | 33.03% | 26.61% |
| 水 | 203 | 493,600円 | 2,432円 | 30.05% | 21.67% |
| 木 | 137 | 343,100円 | 2,504円 | 34.31% | 24.09% |
| 金 | 192 | 428,800円 | 2,233円 | 20.31% | 21.88% |
| 土 | 336 | 875,700円 | 2,606円 | 38.69% | 21.13% |
注文のピークは14〜16時(1日の中心はおやつ需要)ですが、平均注文単価が最も高いのは開店直後の10時台(2,904円・グループ率54.2%)で、「開店待ちで並ぶグループ客」が最も単価の高い顧客層です。曜日別では土日で全注文の47.2%を占め、日曜・祝日はグループ率48.4%と高単価。逆に金曜は平均2,233円・グループ率20.3%と最も低く、1人客中心の平日型です。平日昼(12時台)と夕方17時以降も単価が落ちるため、「平日夕方限定トッピング1個無料」「雨の日ドリンク割」など、閑散時間帯に添付率を上げる限定オファーが有効です。
週の起点は月曜。2026-06-15週は6/19開店のため3日分、2026-07-20週は7/20の1日分(祝日)のみです。
| 週(月曜起点) | 注文数 | 売上 | 平均注文単価 | 一人当たり単価 | オプション添付率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026-06-15(6/19開店) | 71 | 197,800円 | 2,786円 | 1,815円 | 25.35% |
| 2026-06-22 | 114 | 279,400円 | 2,451円 | 1,826円 | 29.82% |
| 2026-06-29 | 249 | 604,300円 | 2,427円 | 1,815円 | 20.88% |
| 2026-07-06 | 444 | 1,120,100円 | 2,523円 | 1,827円 | 18.47% |
| 2026-07-13 | 559 | 1,492,600円 | 2,670円 | 1,823円 | 25.94% |
| 2026-07-20(7/20のみ) | 129 | 373,000円 | 2,892円 | 1,828円 | 31.01% |
注文数は開店週の71件から7/13週の559件へと約8倍に急成長しており、夏本番に向けて需要はまだ拡大局面です。平均注文単価は7月に入って上昇傾向(2,427円→2,670円)ですが、これはグループ来店の増加によるもので、一人当たり単価は全期間1,815〜1,828円とほぼ完全に固定されています。つまり「客数と人数は伸びているが、1人から頂く金額は初週から1円も伸びていない」状態です。来店数が最大化する7月末〜8月のピークに向けて、今こそ客単価施策を仕込むタイミングです。
一人当たり単価は96%が1,700〜1,999円に集中し、開店以来ほぼ1,823円で固定です。これは「かき氷1杯で完結し、追加で何かを買う選択肢がない」ことの表れです。具体策としては、(1) レジ前・注文画面でのチーズホイップ(+200円)の一推し表示(既に添付の2割を占め価格抵抗が小さい)、(2) ドリンクの導入(お茶・コーヒー・クリームソーダ等。かき氷との同時注文で+300〜500円)、(3) テイクアウト焼き菓子・アイスキャンディ(「待ち時間に」「お土産に」の動線)、(4) 2,200〜2,500円のプレミアム・スペシャリテ投入による価格アンカーの設置、が挙げられます。杯ベース添付率を現在の18.9%から40%へ引き上げるだけで月間売上+約6万円が見込めます。ドリンクを導入して同時注文率20%×400円を実現できれば、さらに+約13万円(売上+3%超)が上乗せ可能です。
2人以上のグループが売上の過半を占める一方、一人当たり単価は1人客と全く同じです。グループは「シェアする理由」を作れば追加消費が生まれやすい層です。「2人でトッピング3種盛りシェアプレート」「グループ限定: 2杯目以降トッピング1個無料(3個目から有料)」「4人で頼むと1杯半額のパーティセット」など、人数をトリガーにしたセット設計を推奨します。人数が多いほどオプション添付率が高い(3人以上32.1%)ため、グループ向けオファーは反応が良いと予想されます。
かき氷業態は7〜8月に需要が集中し、秋冬の需要急減が構造的に避けられません。週559件・単月130万円超の来店がある「今」は、1年で最も多くの顧客と接点を持てる時期です。ピークシーズン中に単価最大化(上記a・b)と並行して、LINE公式アカウントの友だち登録(登録でトッピング1個無料等)を全力で獲得し、秋冬に「温スイーツ・焼き氷・ぜんざい等の冬メニュー告知」「来夏の先行予約・回数券」を届けられる導線を確保してください。夏に獲得した顧客リストこそが、閑散期の売上とリピーター基盤(現状再来店率0.87%)を支える最大の資産になります。
本レポートの全指標は、注文単位に集約した共通CTE(orders)から算出しています。オプションは1明細に複数付く場合があるため、明細金額の重複計上を避けるべく「オプション有無フラグ」を別CTE(opt_details)でユニーク化してから結合しています。金額はすべて税込・明細レベルで集計(部分キャンセル除外済み)。オプション価格は明細価格(pod.price)に含まれています。
本店舗は再来店率が構造的に低い夏季集中型のかき氷業態のため、リテンションではなく「1回の来店からいくら頂けるか(客単価)」を主KPIとして売上構造を分解しています。単価分布でクロスセル余地を、グループ分析で人数→単価の変換余地を、オプション分析でアップセルの現在地を、時間帯・曜日・週次で施策を当てるべきタイミングを特定します。